一語一会 第2回

 

第2回

「すべては かりもの」
(Oさん) 

「自分の身体は借り物、身の回り一切も借り物、だから嫁さんも借り物なんです」
千遍(青年会本会配信YouTube)を聞いていて、このようなフレーズが聞こえました。

『かしものかりもの』の教理は自分なりに解釈はしていたつもりでしたが、
「嫁さんも借り物」この考えに行きついたことは今までなかったので、正直驚きました。

だが、よくよく考えると「確かに」と思える事があったので、ここで一つ紹介したいと思います。


私が結婚をして一年ほどたった時の話ですが、当時まだ子供の授かりがありませんでした。元々嫁さんには妊娠しにくい身上があると聞いておりましたので、わりと始めの頃は受け入れて通っておりましたが、1年も経つとまわりの目など気にしだし、少し考えこんでいた頃でもありました。

そんなある日、夫婦で子供について話す機会がありました。
お互いに「子供を授かりたい」という思いは同じでしたが、嫁さんは「神様が、私たち夫婦に一番いいタイミングでお与え下さる」という思いで通っている、というものでした。
それを聞いて私は「それもそうかもしれないが、教会や先のことを考えると、少しでも早く与えてもらえるようにお願いしている」というものでした。
お互い「子供を授かりたい」という思いは同じでも、考えが少しずれていました。
最終的にその場は、私の意見に合わせる事となりました。

それからまた数日後、病院での検査がありました。
診察結果としては、毎月の排卵の周期が早まっている、というものでした。
僕は、だとしたら妊娠のチャンスも増えるって事なのかな、と思ったのですが、よくよく聞きますと、卵を受け入れる女性の体の状態まで一か月かかるので、排卵が早く来てもまったく意味がない、むしろタイミングがずれて妊娠出来ないというものでした。

私はそれを聞いて、先日夫婦で話した時のことを思い出しました。
僕の「出来るだけ早く」という思いが、嫁さんに移り、
そして身体に表れてしまったんだと痛感いたしました。

夫婦は二つで一つ。嫁さんが借り物ならば、嫁さんの身体も私の借り物です。
嫁さんの身体に見せてもらった事を我が事と捉え反省し、子供に対しても
「私たち夫婦に一番いいタイミングでお与え頂きたい」という思いで、
日々通らせていただく事にしました。

その後、周期は無事に安定し、現在はおかげさまで子供を授かり、
秋口に第一子を出産予定となっています。

この事を通し、これから生まれてくる子も自分の子供であると同時に、
かりものなんだと思案させて頂きます。


 目の前で起こるありとあらゆる事を我がことと捉え、
これからも通らせていただけたらと思います。