第11回
「心通り」
(Sさん)
ある日のこと。
朝早くから家を出て、いろいろと御用をつとめさせてもらっていると、
『今日はなんか調子悪い・・・』
別に風邪をひいたわけでもなく、おなかを下したわけでもない。
その日起きてくることが裏目に出たり、
ちょっとしたミスを起こしてしまうことが少なくなかったのだ。
『思ってたんと違う。』
『何でこんな風になったんやろ。』
と、自分でも分からずだんだん勇めなくなってくる。
そんな時、ふと思い出す。
『そういえば昨日の晩、嫁さんとけんかして、腹立ててふて寝したな。
そんで引きずって朝からも口きかんと出てきたな。』
これが原因。
神様は私たち人間に、体を貸してくださっていますが、
その他のものも一切を貸し与えて下さっている。
もちろん嫁さんもそう。
決して、自分の思い通りになるものでもないし、
勝手気ままを押しつけてはならない。
自分のそんな心がその日の事柄となって起こってくる。
帰ってすぐに謝って、今日あったことを話すと。
「私も色々とあって・・・」
お互いに色々と見せて頂いて、さんげをさせてもらった1日だった。